今回の地震で被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

地震の影響により、出演を予定していました以下の落語会は、公演そのものが中止となりました。
なにとぞご了承くださいませ。

・3月17日『立川流広小路寄席』

・3月19日『立川流若手いずれは名人寄席 志の吉・談修二人会』(昼夜公演とも)

・3月25日『ぜん馬の早春寄席』(昼夜公演とも)

以上、ご報告させていただきました。

以下、少々余談です。

地震の際ワタクシは自宅に居て、本棚とタンスを押さえるのにとにかく必死でした。
いろいろ落ちてはきましたが何ひとつ壊れることもなく、直接的被害はほとんど無しで済みました。
しかしそんなワタクシでさえも、頻発する余震、原発のこと、計画停電のこと、スーパーからはモノが消え、「どうなっちゃうんだよ?」と頭を抱えてしまうような出来事に、ついつい気も滅入りがちな毎日です。
残念ながらこれらは、あと二三日でケリが付くという問題でもなさそうです。

今は日本中から、一時的に笑顔が消えてしまったような状況です。
事実今回の地震の影響で、ワタクシが出演するものも含め中止・延期となった落語会は、全国で百や二百はくだらないでしょう。
物理的に開催不可能なものは仕方ありませんが、そうでなくても「こんな時に、落語なんぞ聴いて呑気に笑ってられるか」という風潮があるのは致し方ありません。

主催者・関係者やお客様にそういう意識があるのはもちろん、我々演者も「どんな顔して高座に上がったらいいのか…」という悩みを抱えています。

でも。
人間、そういつまでも眉間にシワを寄せてばかりはいられません。
今は確かに笑ってなどいられない状況かもしれませんが、緊張や不安がいつまでもいつまでも続いては、肉体と精神が蝕まれ、それこそ日本はお先真っ暗です。
いつかきっと、笑いが必要になる時もきます。

まあ今は無理でも近い将来、落語“なんぞ”を聴いて呑気に笑える日がくるはずです。
『禁酒番屋』に登場するお侍の台詞ではありませんが、
「そうでなくては拙者が難儀をいたす」
ってヤツです。
何しろ我々の商売は、イベントがお流れになってしまっても、基本的にどこからも何の補償もいただけないのですから。
こんな状況がずーっと続いたら、笑いに携わる商売の者はみんな干からびてしまいます。
噺家の日干しなんて、あんまり美味そうじゃありませんしね。

とにかくまあ、今は被災地の一日も早い復興を、心から、遠くから祈っております。
「がんばって」なんて無粋なことは言いません。
がんばっていない人なんて、一人も居ないはずですから。

それではまた、どこかの落語会でお目にかかりましょう。